2006年6月1日
リウマチ解明への夢のある研究

今日から6月ですね。

もうそろそろ梅雨が来るのでは・・・と戦々恐々です。

雨は必要ですがリウマチの人にとって湿気や雨は大敵ですよね。梅雨のシーズンは憂鬱ですよねー。

そんな皆様の憂鬱を少しだけでも吹き飛ばすために

今日はリウマチの解明のために多くの研究が進められているという夢のあるお話をしましょう。

近頃、未だはっきりした原因がわからないリウマチという病気の解明に関連した研究が進められています。

きっとたーくさんあるのでしょうがその中のほんの一部をご紹介しましょう。

研究は、

  1. リウマチがなぜ起こるのかを知ろうとする研究
  2. リウマチが起こしている現象の機序を解明しそのプロセスに働きかけようとする研究
  3. リウマチで起こっている症状を和らげようとする研究
  4. リウマチの薬物療法の副作用を減らそうとする研究

などに分けられると思います。

  1. リウマチがなぜ起こるのかを知ろうとする研究

横浜市大の佐藤衛教授が関節リウマチの病気を引き起こす原因となる酵素がタンパクと結合する仕組みを解明したそうです。この酵素は、ペプチジルアルギニン・ディミナーゼというそうです。

この酵素が過剰に分泌されることでこれと結びつくタンパク質の性質を変えてしまい本来病原体を攻撃する免疫システムなのに自分を攻撃するようになってしまうそうです。

ですからこの発見によってタンパク質の性質を変えないように働くような薬が生まれるかもしれません。

 

  2.リウマチが起こしている現象の機序を解明しそのプロセスに働きかけようとする研究

 リウマチは、痛みや炎症がひどすぎることは皆さんが一番おわかりですよね。わたしも、なぜこんなに患者さんの痛みや腫れ、疲労感をひどくするんだろうといつも怒っています。

それは炎症がひどいんですよね。

その炎症は自己免疫反応が過剰になって起こっているので、過剰に起こらないように抑制する物質があることを突き止めたそうです。突き止めたのは大阪の千里にある大阪バイオサイエンス研究所の江口直美先生でハーバード大学との共同研究だそうです。

その物質は、プロスタグランジンD2といって、免疫の調節に関わる物質だそうです。この物質は睡眠誘発物質としても注目されているそうです。

この物質に作用させて過剰な炎症を押さえられるようになればリウマチの人々の苦しみも少し軽減されると思います。

 3.リウマチで起こっている症状を和らげようとする研究

ペプチドに炎症や腫れを和らげる作用があることを、あのカルピスの会社が突き止めたそうです。ペプチドとはタンパク質の最小構成単位だそうです。ただしペプチドには種類はいろいろあるそうなのでどのペプチドの摂取がより効果的は解明して欲しいものです。

そうすれば特定の食品やサプリメントの摂取で症状を和らげる可能性が出てくると思われます。

 4.リウマチの薬物療法の副作用を減らそうとする研究

これはですね。私も驚いたのですが、治療薬の副作用を事前に予測できるシステムが開発されつつあるということなんです。

東京女子医大の膠原病リウマチ痛風センター、東芝、NTTデータが共同で臨床研究で使用を始めているようです。

例えば、リウマチのひとは

「リウマトレックス」の副作用の起こりやすさと必要な投薬量が予測できる。

また、

「アザルフィジン」の副作用ととその重症な合併症である「アミロイドーシス」の起こしやすさ

を予測するそうです。

すごいですね。

この方法というのは、薬が体に取り込まれる過程には個人差があるので、酵素遺伝子の違いによる作用や副作用を予測するのだそうです。

元データは1000人の患者の遺伝子データの解析で、遺伝子の個人差と薬の関係の組み合わせによって解析されているそうです。これはさらに解析を重ねていけば精度は上がっていくことでしょう。

これは「オーダーメイド医療」の提案ですが、診断技術の進歩によって患者さんの苦痛が減らせる時代がもうそこまで来ているのかとおもうとうれしいですが、待っていると長いですよね。

これは日経新聞2006年1月13日に載っていた記事です。


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