2012年11月5日
シアトルの病院で出会ったリウマチ看護のナースプラクティショナー

先週、研究関連でシアトルに行っておりました。シアトルは私が3年前に短期留学させていただいた場所です。今回は、リウマチ看護のナースプラクティショナー(以降、NPと略す)のお仕事を見学させていただき、お話を聞いてきました。3年前も別のNPの実践を見学させていただき腰が抜けるほど驚いた経験があります。今回は、別の病院に行ったのですが、本学の卒業生で慢性看護のCNSをしているひとと別の看護大学の先生と3人(2人ともわたしの研究プロジェクトメンバー)で行きました。

アメリカでは2015年までに修士課程修了同等のNPをすべてDNP(博士課程修了を義務とする)とするそうです。すでに資格を取ったNPの方々も継続して実践できますが、今後NPになる人は博士課程修了まで義務づけるそうです。それは、他の医療職種が博士課程同等の学歴を有することや、臨床実践をしていてエビデンスの集積とその臨床への活用が重要となっているから統計や分析の能力が必要だからだそうです。

ワシントン州でのNPの実践は、処方も診療も可能です。関節注射も実践していました。患者と家族に丁寧に何度も理解するまで説明していました。午前中の診察は4人の予約で十分に時間をかけ行っていました。

医師とどう違うの?と今回もまた聞いてしまいました。何も変わらない。敢えて言うなら医師のサラリーの8割ってことかな。ということです。(NP養成の最初の動機は、医師不足の現状を医師より安い看護労力で補おうとしたということです、今の日本も同様の傾向有り!)

日本の看護はいつかこうなれるのだろうか?と純粋に思いました。

解剖学・生理学・病理学・薬理学・フィジカルアセスメントなどなど多くの科目でもっともっと知識と実践能力が必要です。私たち大学教員ももっと質の高い教育をする必要があります!

NpもRN(レジスタンスナース)も自信を持って実践をしていました。

それからナースのローテーションを頻回にしてジェネラリストを養成する日本の病院看護に一言言いたいことがあります。

Nsに様々な職場へローテーション勤務させ、様々な病気を持つ人々の看護が出来るようになることも一面重要かも知れないが、ナースの専門性が育たないと思います。「この領域のスペシャリストになろう」と思っていたのに病棟勤務移動があればモチべーションも下がります。シアトルではRNの中で、患者教育を専門にしているNsや退院調整を専門にしているNsに会い話を聞きました。自分の役割に誇りを持ち極めようとする意気込みを感じました。

日本のナースもこれからは「責任をもち引き受ける、極める」ことが重要ではないでしょうか?

 

 


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