2006年4月25日
管理人ご挨拶

ようこそ私のホームページにいらしてくださいました。この部屋の管理人、神崎初美と申します。
現在、兵庫県立大学地域ケア開発研究所で看護の研究をしております。

私とリウマチとの出会いは、20歳の看護学生の時ですので、もうかれこれ20年近く前ということになります。整形外科病棟で、60歳代の女性のリウマチ患者さんを受け持たせて頂き、一つの体験をしたことが今でも看護研究をしている事に繋がっています。

当時、受け持ちした患者さんは、手指や関節が痛んで自分で食事することをすごく嫌がられ、食事援助が必要な状況でした。その頃の看護は

「手指が痛くても自分で食べなきゃだめなんです!」

って患者さんに平気で言っていたんですね。それが、その患者さんへの看護方針だったりしたんです。当然、学生の私もその方針に従い、なんとか自分で食べてもらえるように働きかける毎日でした。そんなある日、お昼ご飯時に患者さんのベッドサイドに行くと患者さんが手を使わず犬食いしているんです。
それを見て驚いた私の発した言葉は

「やめてください、人間なんだからそんな風に食べないでちゃんとスプーンを使って食べて!」

でした。すると患者さんから返ってきた言葉は

「あんたに私の痛みがわかるか?食べたいけど食べられへんのや。食べれるんやったらそうやって食べてる。」

でした。犬食いする場面を見た自分がショックだったはずなのですが、それよりもその言葉を言わせてしまった自分に落ち込みました。患者さんの本当の気持ちを、誰もわかろうとしなかったということに気づいたことや、学生の自分までもわかってあげられなかったことに悔いました。私は自分の気持ちを正直に話し、その患者さんとはその時通じ合えたと思っています。

その後、その患者さんへの私の実習はプラスチックのスプーンで軽い自助具をつくる事に励む毎日でした(笑)。かなり見栄えは悪かったけどその患者さんには好評でしたよ。

後に、看護師になり、ICUCCU(集中治療室)に配属された私は、その出来事のことはずっと忘れていました。

しかし8年目に整形外科病棟に異動になり、再びリウマチ患者さんと出会うことになったのです。ですが、リウマチ患者さんの感じていることや病気の複雑さへの理解をしないまま日々は過ぎ、看護していることに気づき「これでは学生の時の自分と変わらない」と自問する毎日でした。忙しい仕事の中でゆっくりそのことを解決する時間が持てなかったというのもありました。

その後、看護大学の教員になり、一旦辞めてさらに大学院に進みました。そして今までの自分が解決できなかったこの課題に取り組もう、リウマチの看護研究を始めようと思い、この領域の研究を今に至っても続けています。

これまでリウマチ患者さんのことだけをみていたような記述ですが、もうひとつずっと気になっていたことがあるのです。それは「リウマチ患者さんのご家族」のことです。患者さんには必ずご家族や親近者の方がおられると思いますが複雑な病態や痛み、障害がある患者さんをお世話される大変さがあると思います。しかしご家族が注目されることは少ないのではないでしょうか?ご家族にも悩み苦しみがあると思います。相談したいときもあるでしょう?

このホームページはリウマチ・リウマチ患者さん・リウマチを支えるご家族の方々に看護の視点から役にたつサイトになればと思って開設いたします。また、このホームページ上で皆様に研究のご協力をお願いすることがあるかと思います。研究の結果は多くの人に知って頂き、リウマチ患者さんとご家族に役立てる事を願っております。
差し支えなければで、よろしいのでその際には、よろしくお願いいたします。

2006年4月25日 神崎 初美


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