2008年2月25日
太極拳は、関節リウマチに効果があるのか?

皆様、まだまだ寒い日が続きますが痛みませんか?

この週末は、大雪に見舞われた地域も多かったですねえ。雪や地面が凍ることで足を取られ転倒などしやすいので十分に注意して歩いてくださいね。

寒い季節は痛みが出るし、部屋にこもりきりになり、どうしてもリハビリテーションも実施しにくいし、ある程度の活動を維持したほうがよくてもうまくできないのではないでしょうか?

きょうは、太極拳について記述された論文を見つけましたのでご紹介しましょう。

太極拳は、中国武術の一つですが武術とは言っても、緩やかで流れるような動作をするという特徴があります。深い呼吸法を用いることや、正しい姿勢、バランス感覚を養うことができるなど、いまでは健康維持のための運動として日本国内でも積極的に取り入れられています。

この太極拳を関節リウマチ患者さんが実践することの効果や影響について記述された論文(正確には、このような数件の研究を比較した論文でレビュー論文といいます)見つけましたので、その内容をご紹介しましょう。

RA患者さんへの太極拳には、影響や効果があるのか?

2つの研究で、家事をする能力、関節の柔軟性、痛む関節の数、握力は太極拳をした群、しない群とも同じでした。また、一つの研究では、足首・股関節・膝関節の可動閾が太極拳をしない群に比べて実施した群は改善していました。また、太極拳終了10週後と4ヶ月後の測定において、プログラムを楽しむ感覚が太極拳でない群に比べ改善していました。しかし、痛みやQOLの改善はみられませんでした。

有害性はないのか?

2つの研究で、最初の3週間において3分の2の人々が膝痛・肩痛・腰痛を訴えましたが、その痛みはその後減少し太極拳を継続することはできていました。(太極拳を継続しない人は研究から退いていたので対象者ではなくなっていた点は研究の限界です。)

 RA患者さんの家事能力、関節の柔軟性、痛む関節の数、握力が変化しないだけでなく症状も改善しないという結果の出ているこの論文では太極拳はあまり効果はないといえるのかも知れませんが、太極拳を体験したRA患者さんが楽しさを感じていた点には意義がある思われます。

 痛みに耐えているとつい笑顔や楽しさを失いがちになり、活動することを億劫にしますが、そのなかで比較的身体に負担をかけず行える太極拳は気分転換や活動の維持には役立つのではないかと思われます。

この論文の筆者は、痛みやQOLの改善できる太極拳の証拠はまだないし、どのくらいの強度でどのくらいの長さの太極拳ならリウマチに効果があるのかの証拠を今後も蓄積することがが必要であると述べています。

なあんだ効果がないのかーというにはまだ証拠は少ないと言うことですね。でもバランス感覚を養ったり、何らかの体操をして筋力をつけると言う意味では実践してみても良いのではないでしょうか?

そうそう最近我が家では、Wii fitに凝っています。古田さんや中村珠緒さんなどが出演しTryしているあの Wii fit です。

これがなかなかおもしろいし良い運動になるのです。「リウマチがひどいからできないー」と思う方も居られるかも知れませんが、これこそ運動能力や年齢の差があってもきちんとでき楽しめるようになっています。確実にカロリー消費もするし、運動種目によっては筋力もつくと思います。バランス能力も判断してくれます。

さすがゲームの会社ですよね。ゲームで遊ぶのは不活発だし目や姿勢などに悪影響するので健康に良くないと思ってきましたが、健康維持に役立つのはとてもよいことです。家族で楽しめます。Wii fitをすればするほど新しいゲームにチャレンジできることや、訪れるとWii fitちゃんが「お久しぶりですねー」とか「しばらくお会いしませんでしたねー」とか語りかけてくれるのも楽しいですよ。

そうそうこのWii fitのなかにヨガがありますよ。やればやるほどトライできるヨガもポーズも増えるんです。

ヨガがリウマチに効くかどうかの証拠が論文であるのかどうかまた調べてみますね。

以前に、

リウマチの方へのプールリハビリの根拠は? 

についてや

外反母趾を和らげるには

等を紹介しておりますのでまた読んでみてくださいね!

引用文献

1) Han A, Robinson V, Judd M, Taixiang W, Wells G, Tugwell P.: Tai chi for treating rheumatoid arthritis. Cochrane Database Syst Rev.Vol.3, CD004849, Review. 2004.


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