急病に備えるために必要な知識

短時間で命に関わる危険な病気について

  • 脳卒中

  脳梗塞:血管が詰まって脳細胞が死滅する

  脳出血:脳の血管が破れて出血する

脳卒中「前触れ発作」の症状が出たら緊急事態 ( 脳梗塞はこうして防ぐ、治す」高木 誠(監修) 講談社  より)

運動障害:体の半身の筋肉が動かせない・体の半身に力が入らない

感覚障害:体の半身がしびれたようになる・体の半身の感覚が鈍くなる

構音障害:舌がもつれて話しにくい・ろれつが回らず、発音が不明瞭になる

失語症:言われていることは理解できても言葉が出てこない・聞いたり読んだりした言葉の意味が理解できない・

視覚障害:視野の半分が欠ける(半盲)・ものが二重に見える・片側の目が突然、みえなくなる(一過性黒内障)

半側空間無視:みえているはずなのに、視野の左右どちらかにあるものが認識できていない

失認:視覚に異常はないのに、ものを見ても認識できない・聴覚や触覚に異常はないのに、聞いたり、ふれたりしたものが何かわからない

めまい:グルグルと目がまわるようなめまいが突然起きた(回転性めまい)・フワフワとして足元がおぼつかないような感じがする(非回転性めまい)

失行:運動機能や知能は保たれているのに、よく知っているはずの日常動作ができなくなる

失調:フラフラして立てない、まっすぐ歩けない

意識障害:意識がもうろうとしてくる・意識を失ってしまう

 

後遺症なく回復するのは10人中2人くらい

脳卒中の発作が起きて3-6時間(特に3時間)以内がゴールデンタイム(回復可能な時)

 

  • くも膜下出血:脳の表面はくも膜という膜に覆われて、その間には髄液が流れている。くも膜下腔には、脳に栄養や酸素を供給する太い血管があり、この血管から出血が起こると脳の表面全体に血液が広がり脳が圧迫される
    症状: 激しい頭痛、多くは「ハンマーで思いっきりたたかれたような」感じ吐き気、意識障害を伴う場合もある意識障害は、頭痛が始まり10分程度で失い、また数十分建つと意識が回復したりするうなじのあたりが固く張った感じ、肩がこった感じになり、仰向けで首を持ち上げようとすると上半身ごとあがる、けいれんが起こることもある・・・専門用語で「項部硬直」といいます* 出血が少ないときは、程度が「普通の頭痛」のときもあるが、これまで経験したことのないタイプの頭痛が突然起こり数日持続するのでいつもと違うことがわかるはず脳卒中のような、顔や手足の麻痺、失語といった神経症状が出ることはほとんど無い
  • 心筋梗塞:心臓を取り囲み心臓に栄養を与える役目をしている冠状動脈が閉塞し、その先の血流が遮断され心臓の筋肉が死んでしまい梗塞が起こる

 前触れ

前胸部、胸骨下胸部の激痛、締め付け感、圧迫感などの症状が現れ、下顎、頸部、左上腕、心窩部に放散痛が出現

これらすべてが起こるとは限らない

無痛性の心筋梗塞も20パーセントあり

糖尿病の人は痛みを感じにくい

ニトログリセリンを服用しても効かない

痛みが30分以上続く重症では呼吸困難、意識障害、吐き気、冷や汗、ショック症状などの随伴症状が現れる

発作を起こした20パーセントの人が死に至る

発作を起こしたときに、危険な不整脈や心不全が起こり死亡する誘因となる

心筋梗塞の発作が起きて6時間以内がゴールデンタイム


  • 兵庫県立大学 大学院 看護学研究科