2006年5月5日
立位で浣腸することの問題

きょうは、日本看護協会のHpに先日掲載されました「立位による浣腸実施の事故報告」に関してリウマチの皆様にお知らせしておいた方がよいと思いましてお伝えします。

日本医療機能評価機能医療事故防止センターの報告書にグリセリン浣腸GEと呼んでいます)による直腸穿孔事例が4例報告されているそうです。

報告書には、手術や検査の前処置としてトイレで立位により実施していたことが報告されています。

わたしも病院勤務していたときは、リウマチ患者さんの浣腸を立位で実施していることがありました。

立位でやるほうが患者さんもNsも楽な場合があるし、トイレまで間に合わないとかトイレが空いていない場合に備えてトイレで実施するケースがあると思います。

看護の基本としては、浣腸は左側臥位をとって実施するというのが教科書にも書かれていますが、現場では原則通りに実施できない場合も多いものです。動ける方の場合は特にそうですよね。

しかし、この報告によると、立位で浣腸する場合には

  • 直腸の壁にぶつかり傷がつく
  • 患者さんが緊張してしまい。直腸の収縮で安全の実施できないことがある
  • 実施する者の視野が確保しにくく、挿入の長さが確認できない
  • 挿入した後の安定が保てず、入れすぎたり脱出を招きやすい

ということです。

皆さんも、入院されて浣腸をNsに依頼することがあったらこのことを覚えておいて処置時の環境を整えられるようにしましょう。もちろんこれはNsのやるべきことなのですがご自分の意志をきちんと伝えることも大切です。嫌み無く伝えましょう(苦笑)。

トイレの確保やリラックスして実施できるよう配慮してもらうことが必要ですね。

やむを得ず立位で実施しなければならない場合には、安全を確保できるようにしなければなりません。

それからお通じが無い場合には浣腸に頼るのでなく、食物繊維をとるなど食べ物の調整や緩下剤など他の方法を選択することも考えましょう。

日本看護協会 医療・看護安全情報

 


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