2006年5月29日
エコノミークラス症候群 深部静脈血栓症 肺血栓塞栓症

新潟県中越地震のあと車中泊していた避難住民の方がこのエコノミークラス症候群ですくなくとも3人の人が亡くなったことで注目を浴びました。

また、サッカーの高原選手もこの病気で2002年のW杯日韓大会に出場できなかったことも記憶に新しいでしょう。

エコノミークラス症候群:同じ姿勢でいることで下肢の深部静脈の血流がよどみ肺動脈(肺は動脈に静脈血が流れる)で血栓や塞栓になり呼吸困難になることをいいます。

エコノミークラス症候群深部静脈血栓症 肺血栓塞栓症ともいいます。

実は、この病名はリウマチ患者さんも無関係ではないのですよ。

飛行機のエコノミークラスは狭くて身動きできないうえ長時間同じ姿勢で座っていないといけないため深部静脈の血栓や塞栓ができやすくこの症状になりやすいことからこの名前で呼ばれるようになりました。

さらに恐ろしいのは、被災地で調査したときに血栓が見つかった人が再発する「血栓後症候群」があるということです。

災害後、

避難所は、過ごしにくいしプライバシーを保ちにくいと考える人は少なくないし、それならいっそ車の中ですごそうと思われるかもしれません。

しかし、

2日以上の車中泊は危険だといわれています。

一度血栓ができると血管の内側が固くなり血栓ができやすくなるそうです。

では、このエコノミークラス症候群がなぜリウマチの人々に関係があるのでしょう?

それは、手術後の重要な合併症の一つであるからです。

手術、とくに人工股関節置換術などでは術中・術後にかけて下肢を安静にしていることで血流がよどみ深部静脈に血栓を起こしやすいのです。

それが血流にのって、肺動脈(肺動脈は静脈血です)に入り、この血栓が末梢でなく中枢までいくと急激な呼吸困難をおこし重症になるのです。

わたしも整形外科Nsだったころなんどかこの状態になった患者さんが居られました。

それはリハビリもすすみ動き出した頃(回復に向かっているとき)におこるのです。

症状としては、呼吸困難です。ですからこの時期の呼吸困難はサインですからひどくならないうちのそのサインを見落とさないことが大切です。

誘因は、脱水や長期臥床ですから、水分をこまめにとり、臥床の時期であっても足関節の屈伸などベッド上でできる運動をしておくことです。

術後に弾性ストッキングを巻くこともお勧めします。多くの医療機関では巻くよう指示されることでしょう。

自宅で臥床がちな人たちにも起こる可能性があるので上記のような対策をしましょう。少しでも足を動かす習慣を持つことが大切です。


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